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ホーム > 記事 > ログハウス > 【HowToログハウス】一木瞭然~ログハウスの耐久性~

【HowToログハウス】一木瞭然~ログハウスの耐久性~

この《一木瞭然》シリーズでは、ログハウスの居住空間としての特徴からその住み心地を考察し、「家」としてのログハウスのメリット・デメリットを《一目瞭然》にすることを目指しております。

きっと、ログハウスの持つ特性が自身のライフスタイルに沿っているかを検討していくことで、自身が「家」に望むことも明確になっていくことでしょう。

さて、そうして考察してきたわけですが、ここで以下のような結論に辿り着きました。

‣どんなに住み心地の良い家でも、永く住めなければ、あまり意味がないのでは…

‣自分にとって「特別な家」であるほど、もしも住めなくなってしまったときのショックは幾ばくか…

どんなメリットがあっても、その大前提には耐久性の高さが欠かせません。

今回は、これらの不安を解消するためにも、ログハウスの〝耐久性〟から考察していきます。

「家」に求める安心を考え、ぜひとも「永く住める特別な自分の家」造りを実現させましょう。

 

木の強度

木材は、軽くて強いという特性を持っており、特に縦軸方向に対する強度が高いと言われています。

表①素材別の比重
木材 0.1~1.3
レンガ 1.2~2.2
コンクリート 2.4
アルミニウム 2.69
7.86

比重とは、簡単に[同じ体積においての質量比]と考えます。

表①からは、理数的な部分はとりあえず置いておいて、ざっくりと木材の軽さを見て取っていただければと思います。

表②素材別の縦引っ張り比強度(kgf/㎡)
針葉樹材 240
ガラス 30~90
アルミニウム 54
鋼鉄 50
コンクリート 1.6

比強度とは、簡単に[同じ重量あたりの強度]と考えます。

表②からは、これまた理数的な部分はとりあえず置いておいて、縦方向の強度に関しては他の建築用材と比べても木材はかなり優れているということを見て取っていただければと思います。

ともすれば、材料の強度的な問題はこれといって重大視するものはないと言って良いでしょう。

また、木は伐採後、時間が経過するほどに強度が増していくという特徴を持つと言われています。

例えば、100年かけて育った木は、伐採から100年後に最も強度が出てくるのだそうです。

この特徴は、木が材へとかたちを変えても生きているんだということを深く実感させてくれます。

 

重要視すべきは耐朽性

ログハウスの耐久性を考えるとき、最重要ポイントとなるのがその耐朽性になります。

『木は腐りやすい』というイメージがあって、建築材として使うことを心配される方も多いのではないでしょうか。

そのイメージを払拭するためにも、まずは腐朽についての知識を取り入れ、そこからログハウスの耐朽性を考察していきましょう。

腐朽の条件

「腐る」という現象は、腐朽菌の活動と繁殖によって起こります。

また、そのために必要となる要素は以下の4つとされています。

○水分

○温度

○酸素

○栄養

このうちの一つでも欠ければ、腐朽菌は活動自体できないのだそうです。

なおかつ、木材の内で腐朽菌が繁殖するために必要とする含水率は、樹種によって多少の異なりはありますが、一般的に28%前後と言われています。

つまりは、そこまでの状態にならなければ腐朽することはないということです。

ログハウスの腐朽対策

腐朽の条件から考えて、ログハウスにおいても、腐朽は簡単には起こらないということが確認できました。

そこへさらなる安心をプラス、耐朽性を高めるための工夫や腐朽対策なども考えられており、実際に施されているそうです。以下、その具体例を紹介します。

☆十分に乾燥した材を使用する。

☆防腐処理材を使用する。

☆結露を防ぐ設計のプランニングをする。

☆軒を深くとるなど、雨がかりを防ぐ設計のプランニングをする。

☆防腐塗料を使用したメンテナンスをする。

注意点としては、材として使用される樹種の中には、スプルースやパインのように耐朽性があまり高くないものもあるということ。そういった材を使用する場合は、木口等傷みが始まりやすい箇所にカバーをかけるなど、事前に対策を講じることもできるのだそうです。

反対に、イエローシーダー(米ヒバ)やウエスタン・レッドシーダー(米スギ)、ヒノキのように水気に強い特徴を持つ耐朽性の高い材は、湿った状態となりやすい土台部分や水まわりの壁面などに使用することで、腐朽対策となるのだそうです。

場所柄によって使用する木材の樹種を気にかけるだけでも、耐朽性を高める工夫になりそうですね。

※ログハウスに使用されるログ材の種類とその特徴については、こちらをご参照ください。

【HowToログハウス】十家十色~ログ材の種類(前編・輸入材)~

【HowToログハウス】十家十色~ログ材の種類(後編・国産材)~

 

ログハウスはご長寿(ご長樹)さん

昔々が今も尚

世界で一番古い木造建築:法隆寺―607年(推古15年)建立

日本で最初のログハウス:東大寺正倉院―759年(天平宝字3年)建立

上記はそれぞれ日本を代表する有名な歴史的建築物ですが、これらが建てられてから裕に1400年以上経っていることからも、木の耐久性が大変優れていることがうかがえます。

本来フィンランドにて永住する家として普及したログハウス。フィンランドでは、建てられて200年以上経つログハウスが今現代もざらに健在しているのだそうです。

また、ログハウスは経年変化も美しい建物と言われているため、年数経過によって生まれる魅力も大きいとされています。

ご長樹の秘訣

ログハウスの寿命は、素材であるログ材の質、あとはなんといってもメンテナンス次第で大きく変わってくると言われています。

建物外部に突き出ているノッチ(=交差する丸太の重なる部分に施す刻み)のような腐食が進みやすい部分のみ板金等でカバーしたり外部の塗装をしたりなど、こまめに手入れを施しさえしていれば100年以上は十分使用に耐えられるとのこと。

『メンテナンスって大変そう…』と思われる方も少なくないかもしれません。

ログハウスではログ材が一般住宅での柱・内装材・外装材を兼ねているため、確かに他の建築物と比べると外壁の塗装などは短いサイクルで行う必要があるようです。

しかし、壁のすべてが露出していることで一般住宅では素人目になかなかわからない傷みがすぐに見つけられるところなどは、ログハウスの利点ともされています。

メンテナンス自体もさほど難しい作業ではないとのことで、ログビルダーの方には『楽しみながらできると思います』という声もありました。

自ら手を施すこともまた「家」への愛着を高めることにつながるのではないでしょうか。

ログハウスは、しっかりと基本的な手入れをしていれば、二世代から三世代と住み続けることができるとされる建物です。

こまめなメンテナンスを行うことで、100年から200年と100歳超えは当たり前として長生きしてくれるといいます。

その耐久年数の長さは、ログハウスの大きな魅力の一つであると言えるでしょう。

また、長く使用できるということは環境へのやさしさにも通じることになりますね。

 

なるほど、ログハウスの耐久性においては、メンテナンスの重要性がポイントとなってくることがわかりました。

これは言い換えれば、ログハウスの耐久性は自らで高めることができるということになるのではないでしょうか。

人も家も健康一番、健康管理が大切なのは一緒なのですね。

今回は、ログハウスの通常劣化といった類の〝耐久性〟に着目しました。

次回は、ログハウスの不測の事態への〝耐久性〟つまりは〝防災性能〟について考察していきたいと思います。

 

<今回参考にさせていただいたのはこちら>

『夢の丸太小屋に暮らす』編集部編(2004) 『ログハウス入門』(夢丸ログハウス選書⑪) 地球丸.

『夢の丸太小屋に暮らす』編集部編(2005) 『ログハウスがわかる本―楽しくて快適な木の住まい・ログハウスのすべて』(Weekend Living) 地球丸.

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