お気に入りを見る
  • facebook
  • instagram
  • instagram

ホーム > 記事 > ログハウス > 【HowToログハウス】一木瞭然~ログハウスの耐震性~

【HowToログハウス】一木瞭然~ログハウスの耐震性~

さてさて、この《一木瞭然》シリーズでは、ログハウスの居住空間としての特徴からその住み心地を考察し、「特別な家」を実現するため、ログハウスのメリット・デメリットを《一目瞭然》にすることを目指してまいりましたが、いよいよ大詰めです。

前回では、ログハウスの通常劣化等に対する耐久性に着目しました。

【HowToログハウス】一木瞭然~ログハウスの耐久性~

続いては、ログハウスに暮らすにあたって災害等不測の事態が起きた場合に対する耐久性と安全性〝防災性能〟に着眼点を置いて考察していきましょう。

今回は、近年特に家造りにおいて不可欠とされている地震・震災が起きた場合に対する耐久性と安全性〝耐震性〟について掘り下げます。

『地震大国』と呼ばれる我らが日本。

昨今では特に、今後想定される大震災の予知情報であったり数日に一度はテレビ画面に表れる地震速報であったりと、地震に対する不安が常日頃から生活のなかに在るかと思われます。

ただ、不安が常時身近に存在することで当たり前のこととなってしまい、逆に重大視はしなくなってしまっている…なんてことはありませんか?

実はそれが一番怖いことなのではないかと思うのです。

自身に被り得る災害は、やはり一番には自身でもって対策しなければなりません。

生活の中心となる「家」が安全空間となるよう「安心のある家」造りをするためには、起こり得る災害への対策を考え備えることで、それらに対する不安を解消できるだけの根拠をしっかりと持っておくことが重要であると考えます。

 

ログログの家vsグラグラの地震

構造による耐震性

ログハウスが地震に強いということは、既に広く知られるところとなっています。

その理由としては、特にログハウスの構造にあると言えるでしょう。

一般住宅建築と比べ材木をふんだんに使用して建てられるログハウスは、重量によって重心が低く位置しており、安定感のある建物とされています。

(⇅)縦方向の揺れに対しては、丸太組み構法のように壁全体で屋根を支える構造は、軸組み構法のように柱のみで支える構造よりも強度が高いと言われています。

[丸太組み構法>軸組み構法]

以上のことからも、丸太組み構法ではもちろん同じ軸組み構法の建物で比べてみても、安定性がプラスされる分ログハウスの耐震性が優れていることがわかります。

[丸太組み構法>軸組み構法(ログハウス)≧軸組み構法(一般住宅建築)]

(⇄)横方向の揺れに対しては、近年耐震性に加えて重視されるようになった〝制震性(減震性)〟がログハウスの構造上に活きていることが注目されています。

ログが一本一本ほんの少しずつずれながら摩擦力を発揮し建物全体で地震による力を吸収することで、揺れる幅が狭くなり、結果被害を受けにくくなるのだそうです。

木の力による耐震性

木は、地震の揺れを柔軟に受け止めて元のかたちに戻ろうとするしなやかさを持っています。

材として使用される木の特性もまた、ログハウスの構造上での耐震性を高める手助けをしてくれているのですね。

極自然な力をもってして高められる耐震性。

確かに自然災害は脅威ですが、自然の力がときに人にとって如何にやさしいかということを身に染みて感じることができるのは、ログハウスの大きな魅力であるとつくづく思います。

耐震性レベルアップ術

中規模地震であるならば、ログ同士の摩擦力によってのみでも十分な耐性を発揮するとされています。

しかし、心配なのはやはりそれ以上の威力を持つ大地震…。

そこで活躍するのが、通しボルトやダボと呼ばれるズレや歪みを防ぐためにログ材の上下段をつなぐ木製又は金属製の棒になります。

在来工法等では、地震によってかけられる力の伝達が他の部材まで移ってしまうことで変形が生じる場合があるのに対して、ログハウスでは、このダボでログ材同士をしっかりつなぎ合わせた一体型構造にすることによって建物全体で地震による力を吸収する効果を高めることができるとされています。

また、ログ材同士で発揮する摩擦力とダボの組み合わせは、一般工法において特別に設置される制震装置と同様の働きをしてくれるのだそうです。

そのことからも絶大な減震効果をもたらしてくれるわけですが、特別な措置をすることなく制震装置を設置するのと同様の備えが得られるとは、もはや「なんということでしょう」としか言えません。

地震荷重をしっかり計算して、それに必要な通しボルトやダボをしっかり施工しておくことで、大地震にも耐えられるログハウスをつくりあげることは十分に可能なことのようです。

 

『じ・し・ん』の実績

ログハウスの耐震性の高さは、様々な耐震に関する実験からも実証されており、たくさんのログビルダーの方々からも自信有るものとされています。

その実証たる事実も重ねて、さらなる向上を目指して研究・開発が現在進行形でなされているとのことです。

耐震の実績

◎1995年1月17日 阪神・淡路大震災(M7.3/最大震度7)

●住宅家屋全壊―約10万4千棟以上

●住宅家屋半壊―約14万4千棟以上

◎2004年10月23日 新潟県中越地震(M6.8/最大震度7)

●住宅家屋全壊―約4千棟以上

●住宅家屋半壊―約1万3千棟以上

◎2011年3月11日 東日本大震災(M9.0/最大震度7)

●住宅家屋全壊―約12万棟以上

●住宅家屋半壊―約25万棟以上

この場をお借りして、被害に遭われた方々へ哀悼の意を表させていただきます。

上記近年で起こった大きな震災は、まだまだ記憶に新しいことと思います。

実はそのなか、数多くの住宅家屋が倒壊した地域において、ログハウスのほとんどは損傷がなかった(※津波被害を除く)という報告がされているそうなのです。

実際に、これまでに起こった地震でログハウスが倒壊した事例の報告はないとのこと。

近隣住宅が倒壊したり電信柱が傾いたりしている状況のさなかにあっても、ログハウスの体躯的被害は軽微な補修程度で済むものだったそうです。

耐震の実証

ログハウス業界では、耐震性の高さを実証するための様々な実験が行われており、その成果が今日のログハウスに反映されています。

2007年には、ログハウスの業界団体『日本ログハウス協会』を主として、世界で初めてとなる[実物大ログハウスの振動実験]が行われました。

このときには、阪神・淡路大震災と同レベルの振動(M7.3/震度7)が与えられたそうです。

その結果としては、建物自体の傾きはわずか数ミリ、亀裂なども小さなものが数ヵ所に生じるのみにおさまったということでした。

こういった実験による功績から、現代ログハウスでは最高の耐震等級での設計が可能となったのだそうです。

これは、建築基準法で定められた耐震力の約1.5倍の強さになるのだとか。

また、一般住宅建築においてこれと同じだけの耐震力を備えようと思うと費用がかさむ場合が多いそうですが、ログハウスにおいてはほぼ追加の費用をかけることなくこの耐震力が備えることができるということで、これまた「なんということでしょう」としか言えません。

 

ログハウスの耐震性には、確かに「安心」の根拠がありました。

それを基盤として、個々のライフスタイルに沿った自身と周囲を守るためにできることを考え備えることで、より「安心のある家」へとすることができるでしょう。

長い歴史を持つログハウスが、近代特に気にされている耐震性や制震性(減震性)において、こんなにもニーズに応えられるほどに発展的であったとは、正直びっくりでした。

尚且つ、その果が[木が元来持っている力(自然力)+それらを高める人の知恵(人力)]の結晶であること。

これはまさに【地球と暮らす】の体現であって、本当にすごいことだと改めて実感した次第です。

地震然り、自然はとてつもないパワーでもって人を圧倒することがたくさんあります。

ですが決して「敵」ではなくて、ときに自然から向けられるやさしさにも気付ける人でありたいと思ったのでした。

<今回参考にさせていただいたのはこちら>

『夢の丸太小屋に暮らす』編集部編(2005) 『ログハウスがわかる本―楽しくて快適な木の住まい・ログハウスのすべて』(Weekend Living) 地球丸.

Top